先日サポート先の施設でカメムシによるクレーム案件が発生しました。内容を聞くと、予想以上のカメムシが突如発生し、ゲストが「こんなところ泊まれない!」と憤慨しているとか..
数日前まではそんなに気になるほどのカメムシ数ではなかったのに、なぜ???と思ったんのですが、理由を聞いて納得。
ゲストが客室に入った際に、数匹のカメムシを発見。その後気になってしまって殺虫剤を室内で撒いてしまったようです。そのため屋根裏やサッシに隠れていたその他大勢のカメムシくんたちがビックリして、部屋の中に出てきてしまい、大騒ぎとなったようです。
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ざっくりカメムシの生態系は?
カメムシはポカポカと暖かく陽当たりのよい場所を好む習性があり、夏場は山や草地に生息しています。夏が終わる頃(10月頃)、山から降りてきて家の中に侵入します。越冬するためです。
人間が住む暖かくて心地よい家で冬を凌いだカメムシは、春になると再び自然界に戻っていきます。(5月くらい)
カメムシの発生をどう食い止めるか?
カメムシ対策をどうすれば良いか、専門家にヒアリングしてみました。石川県金沢市で害虫/防虫駆除を専門にやっている北陸環境衛生という会社です。
電話したら非常に丁寧に教えてくれました。
まず一番大切なのは、「室内に侵入させないこと」です。時期は、夏が終わりカメムシが山から降りてくる9月から10月です。ここがカメムシ戦争の一番の勝負どころ。一度侵入を許してしまうと、追い出すのは困難だからです。
方法としては、網戸・窓枠・ドアの枠や隙間などカメムシが侵入する場所に薬剤を塗布しておきます。Amazonで薬剤販売してますが、こんなやつです。
カメムシ対策の費用は?
自分でやることもできるかもしれませんが、面倒な場合は北陸環境衛生などの害虫駆除業者に発注することも可能です。相場を聞きましたが、500平米の木造建築だと15-20万円だそうです。もちろん建物の大きさや構造(木造か鉄骨かなど)で変わると思いますが、参考にしてください。
侵入済みのカメムシはどう対処するか?
カメムシは侵入させないことが一番重要と書きましたが、ではすでに侵入してしまったらどうしたら良いのでしょうか?
カメムシ捕獲機
一番シンプルでお金のかからない方法は、カメムシ捕獲機を自作することです。ペットボトルで誰でも簡単に作れます。こんな感じです。
これを館内に置いておいてください。カメムシのことをよく知らないお客様が誤って殺してしまわないように、この捕獲機で生捕りします。これなら臭いも発生せずに安心です。
業務用バルサン
カメムシは屋根裏や窓のサッシなどの狭い場所に隠れています。捕獲機だけだと殲滅することは難しいです。そんな時は、お客様の宿泊がないタイミングを見計らって、バルサンを焚いてください。
事前にお客様に伝えておく
意外に重要なのは、カメムシの存在を事前に宿泊前にお客様に伝えておくことです。知らずにカメムシに対峙するのと、知った上で心の準備をした上で宿泊するのとでは、人間の反応は異なります。
伝え方としては、こんな感じでしょうか?これをホームページや予約メールなどで伝えましょう。
「当館は自然豊かな山の中に建っています。そのため季節によっては、館内に虫が発生することがございます。あらかじめご了承ください。」
余談
「秋にカメムシが大量発生すると、冬は大雪になる」
こんな言い伝えが地方では残っているそうですが、カメムシも困るけど大雪も困りますね…