このブログでは、旅館業を取得した上で、アパートメントホテルを運営する方法をお伝えします。

そもそもアパートメントホテルって何?

まず、アパートメントホテルの定義から説明させてください。

アパートメントホテルとは、ホテルとマンションの中間のような宿泊施設です。

一般的なホテルとは異なり、客室内にはキッチン、リビングルーム、ワークスペースなどが備わっているため、長期滞在にも適しているとされています。

また、一般のマンションと同じように、洗濯機や乾燥機、冷蔵庫といった設備も完備していることが多く、自炊も可能です。アパートメントホテルに宿泊することで、自宅のように居心地の良い空間でくつろぎながら、旅行や出張を楽しむことができます。

それ、マンスリーマンションじゃん!って思ったあなたは鋭いのですが、アパートメントホテルとマンスリーマンションが異なる大きな違いがあります。

それは、「旅館業」の有無です。

アパートメントホテルは旅館業の許可を取得しホテルとして営業しているのに対して、マンスリーマンションは旅館業の許可がないので法律的にはホテルではありません。

ほぼ同じようなサービスを提供していますが、ここが大きな違いで、後から説明しますがアパートメントホテルは、旅館業を取ったホテルであることが集客面で大きなメリットがあります。

アパートメントホテルに泊まるお客様像

では、どんなお客様がアパートメントホテルに泊まるのでしょうか?

例えば、こんな方たちです。

  • 1週間出張先に滞在するビジネスマン
  • 働く場所を選ばないリモートワーカー&フリーランス
  • ノマド(もう死語ですか?)
  • 引っ越しと引越しの間で、住む場所を探している人
  • 新しい街で仕事を探している人
  • 外国人留学生

要は、マンションやアパートを借りるほど長期に滞在する訳ではないが、とはいえホテルはキッチンや洗濯機がないから長期滞在向きではない(かつ割高)から選ばないという人たちです。

マンスリーマンションのデメリット

以前はこのようなニーズに対する受け皿はマンスリーマンションでした。ただマンスリーマンションにはお客様にとってこんなデメリットがあります。

  • 審査があり、保証人がいないと契約できない
  • 契約が必要で入居までに時間がかかる
  • 初期費用やデポジットがあり、トータルコストが高い
  • 法人利用が基本で個人利用にはハードルが高い
  • 1ヶ月未満の利用ができない
  • 基本的に月10万円以上〜なので、気軽に利用できない

法人利用で出張の期間が定められていて、費用も会社が払うから気にしないというのであればマンスリーマンションでも十分でしたが、そうでない人にとっては使いづらいのは一目瞭然です。

アパートメントホテルのメリット

マンスリーマンションのデメリットの反対になりますが、アパートメントホテルのメリットを挙げます。

  • 審査不要なので、保証人がいらない
  • 契約なしなので、すぐに入居できる
  • 初期費用やデポジットが不要なので、コストが低い
  • 個人でも気軽に利用できる
  • 1,2週間の滞在も可能
  • マンスリーホテルより割安

誰でも気軽に、新しい街で長期滞在ができる
そんなニーズを満たすのが、アパートメントホテルの魅力です。

アパートメントホテルのデメリット

とはいえ、もちろん話はバラ色なことはなく、アパートメントホテルにもデメリットがたくさんあります。

入居が簡単なので誰が泊まるか審査できない

マンスリーマンションのように審査や契約がないので、誰でも簡単に予約することができます。基本的には悪意のない良い人たちばかりですが、中にはトラブルを起こす面倒なお客様もいます。

例えば、
誰か他人を連れ込んだり、(経験済み)
部屋をめちゃくちゃ汚したり、(経験済み)
犯罪の温床になったり。(未経験)

最近、無人民泊施設が犯罪の温床になるみたいなニュースをチラホラ目にすることがあります。最悪、あのような使い方をされるリスクがあります。

集客を取るか、宿の健全性を担保するか、難しい課題です。

アパートメントホテルの集客方法

アパートメントホテルの集客ですが、自社公式サイトとOTAの2つが基本です。

自社公式サイトの集客とは、公式サイトを作成し、SEOやMEO、Google広告を駆使して集客することです。基本的には即予約に繋げるというよりは、問い合わせを増やし、内覧してもらい、成約に繋げるという流れになります。

OTAに関してですが、OTAとはOnline Travel Agencyの略で、Booking.comのようなホテル予約サイトを指します。

先述したように、アパートメントホテルとマンスリーマンションの違いは旅館業の有無です。

そして旅館業を取得している最大のメリットが「OTAで集客ができる」になります。(旅館業がないとOTAと契約できない)

Booking.comやAirbnb、楽天トラベルに参画して自由に集客ができるようになると、戦い方が全然異なってきます。リーチできるお客様の数が格段に増えますし、対象も世界中のお客様になるからです。

私たちが運営をサポートしている施設に関しては、1ヶ月未満の予約は基本OTA、1ヶ月以上の場合は公式サイトを中心に行っています。

アパートメントホテルの運営方法

最後にアパートメントホテルの運営方法についてです。

  • 施設は無人
  • 客室の定期清掃あり(基本は1週間に1度)
  • チェックインは対面
  • 共用スペースは毎日清掃
  • チェックインは朝8時
  • チェックアウトは夜8時
  • 最低宿泊日数は7日

基本的には7日以上の予約しか取らないのですが、清掃は7日に一度行っています。共用スペースに掃除機とコロコロを設置し、お客様自身で清掃できるようにも促していますが。

そのほかに一般的なホテルと異なる点としては、チェックインは朝8時、チェックアウトは夜8時なことです。

初日から最終日までMAXで滞在できる。荷物が多くても朝から部屋を使えるし、最終日もシャワー浴びて夜行バスで帰れる。この設定がホテルというより、一般的な賃貸と同じですね。

そしてアパートメントホテルだからもちろん無人運営です。フロントもありません。

なぜ、これからアパートメントホテルがいいのか

Airbnbの創業者ブライアンチェスキーが、こう言っています。

People can travel anytime.
People are traveling everywhere.
People are staying longer.

人は、(1)いつでも、(2)どこでも、(3)より長く旅行するだろう、と。

コロナ禍を経て、旅行の仕方が変わりました。ワーケーションみたいな言葉が流行りましたが、今後はそんな旅行をする人たちが当たり前のように増えてくると思います。

間違いないですね。
日本人は遅いかもしれませんが、外国人が日本にどんどん入ってきて、日本の各地で長期滞在すると思います。

アパートメントホテルは、そんなお客様にピッタリです。

そして結局アパートメントホテルの最大の魅力は、人件費をかけずにホテル運営ができることです。

これからの日本は、人手不足&採用難&人件費高騰です。
外国人や高齢者、非正規の雇用も促進されますが、そんなんじゃ解決できないほど死活問題です。

人材がいなくても運営できるアパートメントホテル。
これです。

By / Published On: 3月 7th, 2023 / Categories: 運営 / Tags: , /